9月に読んだ本まとめ

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2839ページ
ナイス数:17ナイス

電力人物誌―電力産業を育てた十三人電力人物誌―電力産業を育てた十三人感想
この本は月刊誌の連載をまとめたものがベースになっているのもあり、松永安左エ門が作った九電力以後(戦後)しか知らないと読みづらい印象があります。人物は人物伝として読んで、日本の電力体制の推移について知りたければ別の本を読んだ方がいいと思います。とはいえ、アメリカのエジソンとテスラといった技師や科学者が送電体制を作ったのとは対象的に経営者や政治屋っぽいのしかいないというのが特徴かもしれません。浜岡原発を作った横山通夫という人が広島での被爆者というのは興味深い事実だったのですが、さらっと流されてて残念。
読了日:9月28日 著者:満田孝
「他人(ひと)からどう思われているか」気になったとき読む本「他人(ひと)からどう思われているか」気になったとき読む本感想
この類の本としては他人のSNSの付き合い方についてのアドバイスがあるのが新しいかなと思いました。
読了日:9月23日 著者:橋本翔太
みうらじゅん大図鑑!みうらじゅん大図鑑!感想
氏の最近の著書を見ていると「アウトドア般若心経」以前と以後で芸風が違うと思うのですが、この本は以前の部分に属します。個人的に面白かったのは井上陽水との対談、ダウンタウンのルーツを訪ねに行く特集、小林よしのりみうらじゅん評などです。勝手に観光協会(KKK)はこれ以前に勝手に豪邸ブラザーズ(KGB)という企画があった、というのをこの本で初めて知りました。
読了日:9月22日 著者:みうらじゅん
E=mc2――世界一有名な方程式の「伝記」 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)E=mc2――世界一有名な方程式の「伝記」 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)感想
E=mc^2という式は原爆に応用された式ということもあって、c^2という数字の大きさに目を奪われがちでしたが、エネルギーEと質量mという全く異質なものと思われていたのが等号=で結ばれたことが画期的なのだ、ということがよくわかります。本の中心は第2次世界大戦のドイツとアメリカの原爆開発競争がメインの印象がありますが、最初の100ページはE=mc^2という式ができるまでの時代背景に触れていて、電力と磁力がまったく別物と思われてた時代から話をしてくれているので、この式がいかに画期的だったかよくわかります。
読了日:9月20日 著者:ディヴィッド・ボダニス,DavidBodanis,池内了(解説)
なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)感想
私はクリスチャンじゃないし、これからクリスチャンになる予定もないのですが、『熱狂する「神の国」アメリカ』を読んで、キリスト教そのものに興味が湧いたので評判が良い本書を読んでみました。同じキリスト教徒と言っても教義によってぜんぜん違うんだな、ということがよくわかります。ちょっと違うところでは、ケントギルバートでおなじみモルモン教キリスト教の関係などもあって面白かったです。
読了日:9月14日 著者:八木谷涼子
「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)感想
もしドラ」的な弱いチームが戦略を使って勝つみたいなのを想像していたのだが全然違いました。日本で一二を争う進学校開成高校の生徒と監督がどうやって野球に向き合っているか、のルポであるが取材している著者も困惑しているのが良いところです。戦略戦術の部分もありますが、どういうメンタルで試合や練習に向き合っているかという部分が大きなウェイトを占める印象です。自分の高校時代はここまでひたむきに部活に向き合ってなかった気がするなぁ…と思う一冊でした。
読了日:9月13日 著者:高橋秀実
ドラゴンクエスト30thアニバーサリー ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ! /原著 堀井雄二 (SE-MOOK)ドラゴンクエスト30thアニバーサリー ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ! /原著 堀井雄二 (SE-MOOK)感想
ドラクエは1〜9までやってますが、一つ一つの台詞を噛み締めるという経験はあまりないので読んでみました。タイトルにもありますが「しんでしまうとはなにごとだ」という台詞のセンスは今でこそ当たり前ですが堀井氏でなければもっと無味乾燥なものになってしまったと思います。5以前はそこそこ覚えていたのですがそれ以降は台詞量が多いせいか知らないのも結構ありました。個人的には8のククールが女性好きに走った理由が修道院でたくさんの男色を見たから、というのをほのめかす台詞があるというのが驚きでした。
読了日:9月12日 著者:.
原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)感想
私自身は反原発でも原発推進派でもないですが電気を扱う仕事をしている以上、原子力発電に対しては自分軸をもつ必要があると感じ、生まれる前ではありますが原発が日本に導入された時の事を詳しく知る必要がある、と考えました。本書は3.11前に書かれており、原発に対するある種の嫌悪感が無いというのが逆に貴重だと思います。当時の日本はアメリカよりも原発に前のめりであるとCIAが分析しており、メディアを牛耳っていた正力の働きの大きさが伺えます。あとはディズニーが原発プロパガンダ映画を作っていたというのは驚きでした。
読了日:9月9日 著者:有馬哲夫
電気革命: モールス、ファラデー、チューリング (新潮文庫)電気革命: モールス、ファラデー、チューリング (新潮文庫)感想
筆者のあとがきにもあるが電磁気学がとっつきにくいと感じた人や電気が苦手な人、電気分野に進む学生などにもオススメしたい本。電気の理論となるとどうも無味乾燥に思えるがそこの背景にある人間ドラマや時代背景を知ることで理論がぐっと身近に感じられる。最後は脳のシナプスについても考察する。欲を言えば直流と交流の話をして、エジソンは交流が理解できなかったから直流送電にこだわった(という説もある)ってあたりの話も知りたかった。同作者に「E=mc[2]」という量子力学の本の伝記もあるそうなので読んでみたいと思います。
読了日:9月1日 著者:デイヴィッドボダニス

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