ブラックジャックによろしく 8巻

がん編が終わるまでは買おうと思ったので読みました。

この漫画、一番問題なのは患者からの視点ってのが決定的に欠けていることだよなぁと思ったりします。
「この人は何も知らずに死んでいくんだ」とか帯に書いてあったけど、最近はインターネットで病気についていくらでも調べられるので、患者はかなりのことを知っています。自分が生きるか死ぬかっていう病気で「先生に全てお任せします」って言う人はかなり減ってきたんじゃないかなと思います。大学の複合領域の授業でも、最近は医者と患者の持っている情報がほとんど同じになってきていると聞いたこともあるし。

患者の視点ってことで一例を挙げると、あれほど副作用に苦しんでがんに効果がないって言われた患者が、新しい薬を使う気になれるのかなという気がします。しかも、その新しい薬もさんざん「効くかどうかわからない」って言われているし。自分も抗がん剤を服用した経験があり、髪の毛が抜けたことがあります。男ですし、大した副作用ではないですが、効果がないとわかっていたらもう一度やる気にはなれないと思います。

まぁでも、終末医療について書いたのはよかったと思います。実際、母の主治医がもう直らないとわかったら「転院しましょうか」なんていう人だったからなぁ・・・。