戸籍上の異体字を正確な字体でインターネット越しに送る

インターネット上のシステムだと何かとまとめられがちな名前の異体字

例えば、インボイスの事業者検索サイトでもまとめられてしまう漢字が公開されています。

www.invoice-kohyo.nta.go.jp

 

上記のページの中段には表示できない文字一覧の置換表PDFが公開されているのですが、置換前の文字もテキストとして選択することが可能です。

これだと思い、戸籍統一文字が収録されているフォントさえ用意できれば、送りたい情報をPDFで出力して名前の漢字もなるべく戸籍に近い字が使えるのでは?と思い、やってみたらできました。

 

まず、戸籍用の文字が収録されているフォントはIPAより「IPAmj明朝」として公開されています。これをダウンロード後インストールします。ここではttf のインストールの仕方については解説しません。

forest.watch.impress.co.jp

 

文章を作るソフトはフォントの切り替えが容易ならばなんでもいいのですが、案内状を作るということでLibreOffice 7.5.4.2 に収録されているWriter を使うことにしました。なお、Google Docs ではフォントの追加に制限があるため採用を見送りました。

ただフォントを設定するだけでは、IMEが戸籍の異体字を候補として出してくれるわけではありません。今回は文字情報基盤検索システムを使い、異体字のコードをネットからコピーします。

moji.or.jp

 

上記のシステムで置換されがちな感じで検索すると候補が出てきます。あらかじめ、IPAmj明朝を設定しておいた文に対して、上記のサイトのコピーフィールドよりコピペします。なお、貼り付けの際は右クリック→「形式を選択して貼り付け」→「書式設定されていないテキスト」などを選んだ方が無難です。

一度貼り付けてしまえば、普通の文字としてソフト上では認識されますので、フォントの文字大きさなどの変更など普通に編集が可能です。

出来上がった文章をPDFエクスポートして、メールに添付などすれば、文字化けせずに戸籍上の正確な文字が送信可能です。

 

Win10 以降はOS標準(Microsoft Print to PDF)でPDFに変換することが可能だし、LibreOffice上では標準でPDFにエクスポートする機能がついています。さすがにシステムに組み込むのはなにかとしんどいと思いますが、プライベートな案内状や年賀状を作る場合であれば、JIS規格に泣かされずに済む時代がもう来ていたというのが驚きでした。