“世界に誇るべきソフト”Winnyに合法的利用の未来はあるのか?

昨日(id:shibacho:20040628#p3)のWinny緊急ワークショップ内で開かれたパネルディスカッションの様子。Winnyの合法的利用について公の場で議論されたことは意義深い。

そんな中、高木浩光氏(id:HiromitsuTakagi)が次のような指摘をしている。

産業技術総合研究所高木浩光氏は、Winnyを合法的に使う方法もあるという議論が47氏を養護するために巻き起こっているが、「それは本当にWinnyでなければできないのか?」を問わなければならないという。実装方法を決めるのは難しいものの、Winnyが合法的に問題なく使っていけるようにするには、データを削除する手段を付加することが必要だと指摘する。
削除などのコントロール機能は、映画会社などが情報を流す場合など、今後のP2Pのあり方として当然必要だが、「技術者たちもそう考えていると思われるのに、誰も言わない」。それを技術者が指摘すると、著作権保護の対策がとれたのにもかかわらず、Winnyではあえてやらなかったのではないかという根拠を技術者から与えてしまい、47氏が裁判で不利になってしまうのを懸念してのことだ。この風潮について高木氏は、「長期的には決してよくないことだ。最終的に有罪となった場合には、P2P全体が悪しきものと思われてしまう」としている。

鋭い指摘だ。開発者側もP2Pの合法利用について、もっと深く考える必要があるだろう(別に47氏が悪いといっているわけではない)。
昨日の匿名性のことについてもちょっと考えたんだけど、Winnyの開発者は「本当に匿名かどうか?」は問題じゃなくて「ユーザーに匿名と思わせるかどうか?」の方が問題だったのかな、と思った。情報発信を匿名で出来る(と思う)ユーザがP2Pネットワークに集まったときに、どういう発展の仕方をするか?ということが47氏の興味の中心だったのかなと思う。