「ゲームセンター」というコミュニティ

最初にこの記事を見て欲しい。

凄いです。「ムシキング」開発者の鋭い分析が見られます。ここまでしゃべっちゃっていいのか、と思うほどに話しちゃってます。「ムシキング」は後世に残るヒット商品になるでしょう。
なんか、この記事によると「ムシキング」のブームはかつてのガンプラミニ四駆キン消しなどの物凄いブームに匹敵するようです。

続いて植村氏は、「ムシキング」の現状を、具体的なデータを示しつつ紹介。植村氏の口からぽんぽん飛び出す数字をメモしながら驚嘆してしまったが、タカラのベイブレードタミヤミニ四駆、少し古い例でいえばバンダイガンプラ、あるいはキン消し(キン肉マン消しゴム)のような、子供総取り状態のムーブメントが完成しており、とてつもなく巨大な市場ができあがっていた。

職場の人に聞いてみても、小学生の子供がいない人たちには「ムシキング」の知名度は低いみたい。しかし、この記事を見ていると凄いブームなのだと実感させられる。

植村氏は、アーケード版「ムシキング」のヒットの秘訣として、子供が好きなムシをそのまま使用したこと、そして親に嫌われず、親に「これなら遊ばせてもいい」と思わせ、リピートのサイクルをうまく完成させたことだと説明。加えて、全国に90人いるムシキングリーダーの存在も大きいという。

子供の心理を突いたゲームはあったが、その親の心理まで突いたゲームはなかったように思う。そこまで、分析して虫を選んだとは!
ムシキングリーダってのは、かつての高橋名人毛利名人みたいなポジションの人なんですかね?

 常にヒザ立ちで子供と同じ目線で応対する彼らは、戦術のアドバイスをしたり、対戦相手にもなるという。彼らは全員セガの社員で、こういった地道な努力が「ムシキング」人気の下支えになっており、こうした展開が可能なのが「アーケードである」と強調。アーケード屋としての強烈な自負を感じさせるコメントに感心させられた。

昔から思うことだが、ゲームセンターという同じ空間を共有することで一つのコミュニティが出来上がっていると思う。
バーチャ2の頃は地名+キャラ名(新宿ジャッキーとか池袋サラとか)をリングネームとして名乗ってたし、今のbeatmaniaIIDXでは自分の所属の県が表示されるし、クイズマジックアカデミーでは接続しているゲーセンの名前がでる。
こういうのって些細なことかもしれないけど、対戦相手やプレイヤーに対して親しみがわいてくるんだよね。どの地域で活動しているのか?ってことは。
ストIIやバーチャでは「SPOT21に行けば、新宿ジャッキーと対戦できる」みたいな話があったり、シューティングでも「トライタワーに行けば、NAIのプレイが見られる」があったし、音ゲーでは「池袋サントロペに行けば、与作のプレイが見られる」があった。
東方シリーズのZUN氏も自身の日記の中で

自分が何故ゲーセンでSTGを遊ぶのか。クリアしたいとかスコアを稼ぎたいとかも判りますが、それだけなら家で遊んでも同じ筈なのです。そう考えてみると、ゲーセンで遊ぶの理由の一つはギャラリーにあると思うのです。自分の超絶(と思っている)プレイを見て貰いたい。それだけではなく、このゲームの素晴らしさをギャラリーに見せつけたい。無意識の内にそう考えて遊んでいた気がします。それにギャラリーは趣味嗜好が同じ方も多いはずで、ちょっとした仲間意識も芽生えるでしょう。

音ゲーでクリアするたびに、ちらちらと後ろを振り返る人は良く見るが(自分含む)、結局なぜゲーセンでプレイするのか、という欲求の根本はそこにあるような気がする。