SEのための図解技術

「考える」職業の人、全てにオススメ。

SEのための図解技術 (ネクストエンジニアSELECTION)

SEのための図解技術 (ネクストエンジニアSELECTION)

この本では、よりよく考えるための3点セットとして、意志、論理、表現を上げている。意志とは「明確な意図を持ってメッセージを発する姿勢」、論理とは「ロジカルシンキング」、そして表現とは「適切な表現方法を選択し構成する技術」と定義している。
この本は「図解技術」とあるように、主に表現の技術に関わる部分を解説している。この図解というのは、状態遷移図やUMLといった(やや特殊な)エンジニアにおなじみの図だけではない。テーブルやグラフのような日常よく使っている図についても触れている。どういう場面でどういうテーブルやグラフを使うと効果的か深く考察してある。その上で筆者はむやみやたらにグラフを書くことを批判しており、考えてグラフを書こうと訴えている。

「SEのための」とあるように、想定している読者層はシステムをくみ上げるエンジニア寄りの人間のようだ。しかし、ここに書かれている技術は決してSEに閉じたものではない。企画、コンサルタント、機械系、回路系エンジニア、そしてアーキテクトやプログラマ、おおよそ考えることを職業としている人達全てに使える技術である。

日々の議論でも、適切に図を書くと議論が前に進むスピードが驚くほど速い。是非とも読んで欲しい本である。