NTTの自縛 - レビュー
「NTT解体」の方をNTTウォッチ上級編とするならば、これは入門編といった所か。
- 作者: 宗像誠之,日経コミュニケーション
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/01/31
- メディア: 単行本
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NTTは「Skypeただ乗り論」とか言っているうちは、電話的価値観を脱却出来ないと思います。
個人的に電話的価値観とは交換機に代表されるような「通話が始まったらEnd to Endの帯域が保証されていること」だと感じているのだが、インターネットのベストエフォート時代にこの価値観は不適当。B2Bだったら話は別だけどさ。
まぁ、社員のぼやきレベルと言われればそれまでの本だけどね。NTTドコモのらくらくホン訴訟にせよ、ユーザー目線じゃない企業は問題だと思います。
P.131に書いてあるようにNTTは政治力についても、ちょっと異常な所があると思う。労働組合が民主党を支持し、管理者組合が自民党を支持するといった、「票田のリスクヘッジ」にはさすがというか、時代遅れというか、舌を巻くほかない。
でも、その結果、NTT持ち株会社の新入社員の初任給が電器メーカーの他企業に比べ、1万円は安いという歪みを生み出すことになった。これは、入社が少ない新入社員の待遇を良くしても現在の選挙制度では体勢に影響が少ないと考える情報労連の歪みから発生している(と思う)。興味がある人は四季報を確認されたい。
結局、この本の出版後に総務省はNTTにNGNの内部仕様の開示命令を出したわけだが、NGNはポストFlets というのが正直な所なのだろうと思う。
最後に書くが、個人的にはNTT再々編には賛成の立場です。
あわせて読みたいドキュメントは以下
NGNは情報通信革命のジャンヌダルクではない
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0803/25/news006.html
根底が崩れたNTTの中期経営戦略
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071228/290301/?ST=network