がん治療の常識・非常識 - レビュー

非医療従事者が書いた本では、かなり優れている本だと思うがどうだろう。現役のお医者さんの意見を聞きたい。
「そもそもがんを切除するところから疑え」という発想は忙殺されている医者にはなかなか難しいのではないだろうか。まぁ、忙殺させているのは理解のない患者だ、という言い分もあると思うけど。

最終章の「がんとどう向き合うか」は名文。泣ける。

医療リテラシー(この場合はがんリテラシー)というものをもっと日本人は高めるべきだよなぁ、と思わされた一冊だった。テレビ報道の仕方にも問題があるんだろうけど、がん治療を単純に「治る」「治らない」の二者択一で分けるべきじゃないし、死生観がどうあるべきか、みたいな深い話にも繋がっていくから難しいんだけど、それらがよくまとまっている本だと思った。