11月に読んだ本まとめ

2016年11月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1447ページ
ナイス数:27ナイス

論理トレーニング101題論理トレーニング101題感想
文章力をつけたくてこの本を手に取りましたが、最後の章にハッとさせられました。「この『批判』ということが苦手な人がけっこういる。対立するか馴れ合うか、どちらかしかできず(中略)批判することと対立することとが、ゴチャゴチャになってしまう。」(P139)建設的な批判をし、批判を受け入れる人間でありたいものです。メインは文の論理構造と適切な接続詞の使い方に主眼が置かれている気がします。何度でも読み返したい本。
読了日:11月28日 著者:野矢茂樹
ゴミ分別の異常な世界―リサイクル社会の幻想 (幻冬舎新書)ゴミ分別の異常な世界―リサイクル社会の幻想 (幻冬舎新書)感想
自治体ごとにゴミ分別が違うのはなぜなのかその歴史を紐解く本。自治体毎のゴミへの取り組み方やゴミにまつわる行政の無駄等々、といった感じなので読み物としてはいいけど「ゴミ行政とはかくあるべし」みたいなのを期待すると若干肩透かしかも。個人的には23区ごとにペットボトル容器の分別の仕方が違うのはなぜなのか知りたかったので満足。一概に役人の先送り体質だけが問題とは言えないあたりが興味深い。
読了日:11月21日 著者:杉本裕明,服部美佐子
ルポ シリコンバレーで起きている本当のことルポ シリコンバレーで起きている本当のこと感想
個人的に「ウェブ進化論」の梅田望夫に影響を受けていたりするので、シリコンバレーの負の側面に目を向けたこの本は別角度からの視点を提供してくれました。特に、地元の公共サービスが悪く企業がきちんと税金を払ってないのではとか、ザッカーバーグが巨額な寄付を有限会社の形で運用するのは寄付とは呼べないのでは、という議論が面白かったです。「ウォール街シリコンバレーは(中略)一緒だ。ただウォール街は金を儲けていることを隠しもしないし世界をよくしてるなんて言ったこともない」(P92)という言葉は考えさせられました。
読了日:11月14日 著者:宮地ゆう
[増補改訂]関数プログラミング実践入門 ──簡潔で、正しいコードを書くために (WEB+DB PRESS plus)[増補改訂]関数プログラミング実践入門 ──簡潔で、正しいコードを書くために (WEB+DB PRESS plus)感想
この本は他の手続き型言語の知識をかなり要求する。その上で関数型言語の考え方を知りたいと思う人向けに書かれている。純粋にHaskellを学びたければすごいH本とかの方がいい。クイックソートが短く書けるからHaskellが良いというのは不当と思う、との著者の意見にもあるように他の言語とHaskellの比較をフェアに論じているように努めている。ただ詳細に論じている分、もうちょっと深掘りして論じて欲しいな〜と思う議題もいくつかある。不満がなくはないが、従来の言語との比較という意味では頑張ってる印象の一冊。
読了日:11月8日 著者:大川徳之
総員玉砕せよ! (講談社文庫)総員玉砕せよ! (講談社文庫)感想
はだしのゲンといい戦争を実体験した人の書く戦争ものは本物の迫力があると思う。わかりやすく戦争の悲惨さ勇ましさを描くのではなく、最前線の兵士達が日常どういう会話をしていたか、名前で呼んでいる人がいかにあっけなく死ぬかといったシーンが戦争の狂気さを際立たせていると思う。若い大隊長が玉砕をあせり、生き残ってしまった人が軍規のために生きていてはいけない人間とされること。そしてあとがきにある「あの場所をなぜ、そうまでにして守らねばならなかったのか」という台詞。すごい本です。
読了日:11月5日 著者:水木しげる

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