肺がん剤 イレッサの効き目に関する日米調査

参考リンク(http://www.asahi.com/science/update/0430/001.html)
朝日新聞は1年半前くらい、肺がん剤イレッサの副作用の危険性について力を入れて記事にしていました。記憶では病院に対して独自調査とかもやっていて、副作用の多さを訴える記事を数多く書いていたと思います。知らない人のために解説しておくと、イレッサは2002年に承認された新薬。抗がん剤にしては珍しい飲み薬で外来治療でも継続的に投与できるのが特徴。新薬が承認されずらいと言われていた抗がん剤業界において比較的先進的な薬が承認されたということで当時話題になったと思います。
朝日新聞の記者達は医療批判の記事のタネくらいにしか考えていなかったかもしれないけれど、肺がんが進行して、イレッサのような薬にでもすがるしかないという状況におかれた人達について考えたことがあるのか疑問です。また、そういう状況の人たちに「副作用が多いからその薬を使うのやめなよ」と言うことがどのくらい残酷であるか、ということも。確かに、イレッサは副作用でなくなった患者が多い薬だったと思うが、イレッサによってがんが小さくなり命を長らえた患者も確実にいることを忘れてはいけない、と思います。残念ながら私の母はイレッサを飲んだことによる効果が裏目に出た結果となってしまったと思いますが、そのことをマスコミの記事にされてもちっともうれしくない。むしろ承認取り消しにより奪われる命があるということの方が問題です。承認取り消しにされたところで母は戻ってこないのだから。朝日新聞はこの問題をどこに着陸(ランディング)させるか興味深いところであります。