ゴールデンウィーク総括

このゴールデンウィークは沖縄へ行き、大学、高校、中学時代の様々な友人と会った。一年前のゴールデンウィークと沖縄へ行った以外では、やったことはほとんど変わらなかったけれど、定期的に昔の友人と会うことの重要性を去年以上に思い知らされた。
社会人になり、ある企業に属してしまうとどうしてもその世界が全てになってしまう。しかし、世間的に見れば企業内の価値観など、所詮その企業内でしか通用しないものであり、外から見たらおかしいこともたくさんあるはずだ。それは、昨今のJR西日本を見ても明らかであろう。
かといって、様々な方面に転職を考えてみたところで、人間関係が重要になってくる。現在はmixiなどのサービスがあるから一概には言えないが、社会人になってから作る人間関係ではビジネス以上の話を腹を割ってすることは難しいのではないだろうか。
今回会った人達は、高校時代の部活の友人、大学時代の友人、サークルの友人、研究室の先生・先輩など、多岐に渡る。大学以上の友人は、工学系エンジニアという世界の人間が多くなるが、高校時代の友人の中には法科大学院へ行き弁護士を目指したり、建築関係の仕事をしたりと、様々な進路へ進んだ人間がいる(残念ながらこのGWには会えなかったが)。もちろん、仕事のある程度込み入ったレベルの話をするならエンジニア同士が良いことは間違いないが、色々な世界の人達と話すのも大いに刺激になる。色々な意味で、過去の人間関係というのは財産であるということを再認識したGWだった。
もう一つ、このGWでよかったことを挙げると、昨日の飲み会でid:pingooから色々と面白い話を聞けたことだ。彼は、大学時代からアクティビティが高く、様々な人間関係の構築に勤めていったおかげで、現在は非常に大きな存在になっている。彼の話の中では、色々な人達との話や自分の経験から得られたことに関することなども面白かったのだが、自分が本当に貴重だと思ったのは、pingooが初めて自分がこれからする仕事で実現したい夢を語ってくれたことである。彼は、世の中のトレンドや現状把握などの能力に物凄く長けていて、自然と話すこともそのようなことが多いのだが、彼自身の考えといったものを聞いたのは凄く久しぶりだったような気がする。しかも、その夢には「人間」というものが非常にクローズアップされていた。
理工工学系のエンジニアともなると、技術的な優位性や素晴らしさといったものにとらわれ過ぎて、それを使うのが人間であるといったことを忘れてしまいがちだ。情報系についても、システムを構築するために優れた技術を開発したり、すでにある優れた技術を適用したりするのはエンジニアの仕事だ。しかし、開発指針や取捨選択の基準としてエンジニアは、技術的な優位性を追い求めるあまり、そのシステムを使うのが人間であることを忘れ、人間に対するデザインというものを忘れがちである。例えば、音声認識で言えば認識率が1%上がった所で、それがどの程度システムに使う人間に寄与するかを説明できなければいい仕事であるとは言えないのである。それは同じ1%の認識率の上昇であっても、システムを使うユーザにとってうれしいかを説明できる仕事とできない仕事では、説明できる仕事の方が圧倒的にいい仕事だ。
時にエンジニアは技術に深く関わっているだけに、技術の限界などもわかりやすい。しかし、そこで見方を変えたり進むべき方向を変えて、限界を限界じゃなくすることが重要だ。そのためには、日々の勉強も重要だが違う世界の情報を積極的に取り入れることが重要ではないだろうか。
oingooの話に戻ると、彼が仕事の夢を語るのを聞いたのは初めてだが、その中で自分の仕事を通じて、ビジネスに携わる人間を幸せにしたいという思いが色濃く出ていたということだ。それは、現代のインターネット社会だけの話ではなく、これからの豊かな人生というものを考えていて、人間の普遍的なテーマであるような気がした。だからこそ、その考えに非常に共感したし、それを是非実現してほしいと思ったのである。と同時に、自分の仕事も普遍的な人間の幸せに対して貢献できるように頑張ろうと思ったものだ。
よし、俺もこれから頑張ろう。でも、11日ぶりの会社でリハビリもせずに明日から復帰できるかしら・・・