がん特番「誤解招く」と医師ら意見書 NHKは反論

asahi.comの記事を見て思ったことです。

臨床医ネットはまた、今年3月に承認された大腸がんの抗がん剤「オキサリプラチン」の取り上げ方について、「同抗がん剤が効くのは進行・再発がん患者の一部で、重い副作用を伴うこともあるのに、番組が画期的な薬であるという側面ばかり紹介した結果、使用者が不自然に増えた」と指摘した。

がん特番そのものは見ていないのですが、この部分についてコメント。
医者寄りの意見を述べますが、テレビ特番で画期的な薬と紹介されたために、患者がその薬の力を盲信してしまい、実績のある医療をしづらいと感じている医者は確かにいると思います。
テレビでは時間も限られるし、がん特番でも抗がん剤のある側面しか伝えることが出来なかったと予想されます。しかし、それを見て患者がある抗がん剤の力を信じてしまうのは仕方ありません。だって、それしかすがるものが無いんだもの。
かと言って、NHK側に非があると責めたいわけじゃなくて、こういうきっかけを通じて、抗がん剤の効果について議論することが重要ではないかと考えます。
ここからは、ちょっと違う話。
今、薬の効果について議論といいましたが、医者の先生方というのは学会の場以外で、自由闊達に治療方針について議論する場をお持ちなのでしょうか?
インターネットが普及してからのがん患者は意識が高く、自分の病気についてインターネットで調べればすぐに出てきます。がん患者が書いた平易な言葉で書かれたサイトも見つかるくらいです。意識が高いのは当たり前で、自分が生きるか死ぬかの瀬戸際だからです。自分の病気について知っておいて、先生の治療方針が本当に合っているかどうかチェックするのは、患者として自分の病気と向き合うこととして出来る唯一で最大限のことではないかと考えます。
そのために、患者はインターネットを最大限活用し、患者間の情報の横のつながりを強めようとしているのに大して、先生間ではこういった情報のやりとりが行われているのでしょうか?一患者だったものとして、不安であります。