ストライキ 2.0
背景
未だ労働者の権利が確保されていなかった時代や、一般的な中流家庭といった像が存在していた時代は、労働者が団結して経営側と対峙し、仕事をしないストライキという交渉カードを持って交渉を進めることは一定の効果がありました。しかし、グローバル化が進み、時代の変化が激しい現代は人々の働き方も多様化しており、大企業の中の人もそれは同様です。もはや「働き方のロングテール化」の波が押し寄せており、色々な職種の人達が同じ給与体系の枠組みで一度に交渉を行うことは不可能です。また、交渉の結果として引き出したい回答はロングテールの中のヘッドと呼ばれる大多数の人達に強くフォーカスしたものになっており、テールの部分の人達にはなぜそのような結論になるのかを理解することは難しいかもしれません。
このような状況化では、労働組合側もお仕着せの一致団結でのストライキ1.0ではなく、多数の組合員の自発的な参加であるストライキ2.0で闘うことが有効であると考えます。
ストライキ2.0とは
ストライキ2.0の活動は様々です。会社の処遇や組合のあり方に納得がいかない人はすべてストライキ2.0を行うことが出来ます。
例としては
- 労働組合の交渉によって回避されたストの日にあえて休みを取ることでストライキの意思を示す。(会社は困る)
- スト2.0の日に会社には来るがいっさい仕事をしない。もしくは、仕事を受けない意思を明確に示す。(会社は困る)
- 個人情報がたっぷり詰まった会社のPCをWinnyのキンタマウイルスに感染させることを宣言する(会社はあわてる)
- ゲリラ的に会社のトイレの大きい方の部屋を多人数で占拠する(会社ならず管理職にもダメージがデカイ)
- このエントリをはてブする(著者が喜ぶ)
などが考えられます。
ストライキ2.0によって何が変わるか
ストライキ2.0によって、多様化する仕事への評価も多様でなくてはいけない、という会社の意識変革が期待できます。単純に賃金体系や福利厚生といった話だけではなく、エンジニアが喜ぶ仕事を与える、最新の技術を習得させる環境を整えるといったことを個別に交渉することで、多様な働き方をサポートする大企業を作り上げることができ、労働者にとってはモチベーションアップ、経営者にとってはさらなる会社業績のアップが期待できます。
おのおの、自分のやりたいことを追求するにはベンチャーや会社を作るという選択肢がベストな場合もありますが、そんなクソ度胸もない人も日本にはたくさんいます。また、そういう人達のための労働組合であるべきです。
インターネット、更にはWeb2.0の流れで情報の伝達コストが限りなくゼロになった世の中では、労働組合の交渉のやり方も変わっていくのだと思います。もし、色々なことに納得がいかない人がいれば、今日明日にでもスト2.0を実行することをオススメします。