ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか
ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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ネットで起こっていることと、リアルで起こっていることの衝突について書かれた本。Winny事件、オープンソース、標準化、中国独自ドメイン事件などなど。
主題はWinny事件である。Winnyそのものの説明や2chの47氏の発言の解説から始まって、P2Pの説明、Winnyの元となった freenetの説明、そしてキンタマウィルスについて。PCの技術に詳しくない人向けの本だが、書かれている内容は深く、P2Pの歴史といったことは知らなかったので勉強になった。
またオープンソースについても触れられていて、ストールマンやリーナスといった人が出てきたり、日中韓の共同OSを作ろうといった試み、そして中国が国策で紅旗リナックスを作って独自路線でやるもんだから、うまくいっていないよという話も出てくる。
著者は、Winnyの作者の金子氏が、Winnyを作った上での思想の部分で争わないことに不満を抱いているようだ。記憶があいまいだが、ウェブ人間論にも、団塊の人達は「最近の若者は闘い方に腰が入っていない」って言ってますね、って話が出てきたと思う。
「2ちゃんねらーは敵に回すと恐ろしいが、味方にすると頼りない」って言葉があるけど、それとも関連するのだろうか。
ちなみに、Web2.0は最後にちょこっとしか出てきません。タイトルに主題と乖離した、流行り単語をくっつけるのは良くないとおもいます><