書評 - 千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン

最古の建築会社、金剛組の例に始まり、100年以上続く様々な老舗の紹介が載っている。

きちんとした取材に基づいており、なかなか面白い。

載っている老舗企業としては、昔からある技術を現代にも使える別の物に転用して生き残った会社の割合が多い印象だった。例えば、小坂製錬という会社では、質の悪い鉱石から純度の高い銅鉱石を抽出する技術を使って、ケータイのゴミの山から金を取り出すことをやっている。

自分達の技術と呼べるものをしっかり持ったうえで、腰を据えて研究技術開発を行う、老舗企業としての粘り腰の姿勢は、株主至上主義の世の中において忘れてしまったものがあるのではないか、と思います。