Mr.Chilrenのニューアルバム「B-SIDE」に見るおもてなし

普段は音楽のレビューなんて恥ずかしいのでしないのだが、こればっかりは言及せざるを得ない。

ミスチルのB-SIDEをただの「B面ベストアルバム」と捉えている人がいるかもしれないが、全く違う。
これはiTunes Storeへの強烈なアンチテーゼだ。

B-SIDE

B-SIDE


なぜそう思うか、というと、CDパッケージの開け方が明らかにiPodパッケージの開け方をオマージュ(あるいはパロディに)しているのである。

Apple信奉者はパッケージを開けることを一種の通過儀式と捉えている人が多いというが、「B-SIDE」もそこら辺をきっちりおさえている。音楽なんて全部iTunes Storeで買えるようになればいい、って思っている(私のような)人へ「そうじゃないんだ」と言っているミスチルの強烈な声が聞こえてくるようである。

iTunesではPDFも管理できるようになり、その気になればライナーノーツまで提供することが出来るようになった。しかし、PDFで提供した時点で失われる情報が有る。それはライナーノーツの紙の質感だったり、テカテカ感だったり、手触りだったりするのである。

また、Amazonのレビューを見ればわかるが、隠しトラックとして「ニシエヒガシエのWest & East Remix」が入っている。自分は最初からiTunesに入れたので、そもそも、これらが隠しトラックであることに気がつくのに時間がかかったが、これもファンへのおもてなしの一種だろう。

断っておくと「隠しトラック」というもののアイデア自体は新しくない。B'zのTreasureでも(当時最新シングルだった)HOMEのアレンジバージョンが入っていたり、サガ・フロンティアのサントラでは一曲目を巻き戻すと、ゲームの隠し要素に関係するBGMが流れたりした。

ミスチルは「It's a Wonderful World」の「蘇生」という曲で

アジアの極東で 僕がかけられていた魔法は
誰かが見破ってしまった トリックに解け出した

と歌っていたが、今、このアルバムでミスチルが魔法をかけ始めたのではないかと思った。

という1ミスチルファンの戯れ言コラムでした。