対論言語学が輝いていた時代 - レビュー

対論 言語学が輝いていた時代

対論 言語学が輝いていた時代

読み終わった瞬間に、どこかにいっちゃった。。。面白い本です。
言語学って冷戦構造に根ざしたものがあるのでややこしいけれども、時代を超えた「コトバ」ってあるんじゃないかな、と思わせる内容でした。


面白かったと記憶しているところは、声楽とか動物言語学あたりについて鈴木先生が語っているところかな。
ま、鈴木先生はパソコンの「かな漢字変換」には反対のようだけれども、これはもう止められない流れだろうね。オイラとか字がヘタでヘタで、高校で最もうれしかったことの一つに「課題に書初めがない」ってのがあったくらいだからね。

あとは、「エスペランド語」の重要性。今のWebの翻訳って大体、統計翻訳ベースだけど、エスペランド語に一度マッピングしてから翻訳って試みも面白いかもしれないね。ってか、もう誰かやってたりする?

で、お前の専門であるところの音声認識とか対話システムからしてみたら、この本はどうなんだ、って言うと、正直よくわかりません(笑)

でも、いまやコンピュータサイエンスのエンジニアは言語じゃなくてソースコードで「会話」しているわけで、そういう意味では「Code Reading」や「C++の設計と進化」(通称D&E本)が関連文献として挙げられると思います。

Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法

Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法

C++の設計と進化

C++の設計と進化

これを読み終わったあとに、Rubyまつもとゆきひろさんが言っていた言葉を引用して、レビューの〆とさせていただきます。


最後に、言語デザインはとにかく面白いです。プログラミングの世界は、結局すべてのものが言語によって表現されるので、言語を変化させることはあらゆるもののありかたを変化させることでもあります。つまり、言語のデザインは、究極の自由だといえるでしょう。このような自由を享受する機会は、それほど多くはないはずです。
(強調は著者による)