ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点- レビュー
2007年10月に刊行されたものなので、現在としてはやや古くなってしまった感があるものの、Web2.0時代のサービスをざっとサーベイするには悪くない書籍。特に「ネット下流」という言葉を知ることが出来たのが個人的には大きな収穫だった。ちなみに、「ネット下流」については、自分の最近の実感とも一致する。
ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10/19
- メディア: 新書
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ただ、論点20のWikinomicsの点でWisdom of Crowdsの概念を「集合知」と訳しているのが気になった。「集団の叡智」と「集合知」は同じ概念ではない。英語だと、それぞれ"Wisdom of Crowds" と "Collective Intelligence"だからである。 確か梅田望夫氏は「集団の叡智」という言葉を使っていたはず。
2chのひろゆきは「感情のない集合知よりも感情のある集合知の方がよくね?」と言っていたが、"Collective Intelligence"には感情がある可能性がある。ニコニコ動画はそれを体現している。「集合知」と「集団の叡智」は区別されるべき概念だと思うからである。
あと、「なぜ、Second Lifeバブルがおきたのか?」ということが良くわかるのも良い。「稟議が通りやすい」って、ちょwwwおまwwwwって感じですね。まぁ、それが日本の現実なんだろうけど。
この本は、「Web2.0って何?」って人と「今後Web2.0ってどうなっていくの?」って人にはお勧めです。しかし、決して「Web3.0」という表現を著者が一回も使っていないことにも注意する必要があります。
自分自身は「〜2.0」と「次世代〜」は同義語だと思うので「〜3.0」を言うことに意味はない(というか2.0という言葉に踊らされている)と思うからです。
#ってことはNGNは「ネットワーク2.0」ですね。