アップルのジョブズCEO、がん摘出手術に成功

http://news.goo.ne.jp/news/reuters/keizai/20040802/JAPAN-153084.html
早期発見だったから放射線治療とかはいらないって言っているけど・・・
日本で同じような外科手術をした場合、もし癌が見た目の上では取りきれたとわかり、検査結果からも、残存している癌が認められないとなっても、医者の感覚からして「念のため内科治療もやりましょう」という話になると思う。ここで重要なのは、患者が仕事で忙しいから治療なんかしている暇がないとか、これ以上苦しい思いをするのがいやだから治療をしたくないなどの患者の意見で、治療がなされないということはあり得ないということである。
先の衆議院選挙(参議院選挙ではない)の鈴木宗男がいい例である。鈴木宗男は出馬前に胃がんがあることがわかり、医者に「1ヶ月手術を待ってくれませんか」と掛け合ったが、結局手術をするために、衆議院選挙出馬をあきらめたということがあった。こちらの感覚としては「1ヶ月くらい待ってやれよ」と思うのだが、医者の感覚としては「その間に癌がどこかへ転移したらどうするんだ」ということなのだろう。
ここからは推測だけど、アップルCEOであるジョブズともなれば、超多忙を極めるので、暇がないという理由で内科手術を断ったんじゃないかなと思う。当然、癌が残っていた時にそれなりのリスクを負うことを理解した上での判断である。日本では、こういうリスクを患者が理解した上で治療を断るということは難しい(というか多分出来ない)。推測だけで論を展開してはいけないけど、こういう所って日本の医療は問題じゃないですかね?
あと、問題なのはこのニュースの見出しの「成功」という表現。癌は手術が終わった段階で完治ということはあり得なくて、寛快という完治したように「見える」状態でしかあり得ない。なので、「成功」したかどうかはあと5年くらいしてみないとわからないのである。そこら辺の事情をすっ飛ばして「成功」という表現を使っちゃうと、癌を良く知らない人たちに誤解を与えるんじゃないかなと思う。