中村邦夫「幸之助神話」を壊した男 / 森一夫 著

旅行中に読んだ本です。
R30さんのエントリを見て興味が出てきたので読んでみました。

中村邦夫「幸之助神話」を壊した男

中村邦夫「幸之助神話」を壊した男

松下幸之助と言えば言わずと知れた経営の神様。この本では、その松下幸之助が行った施策(事業部制度や終身雇用制度)が神聖化され、メスを入れることがタブー視されていた所へ中村社長がいかにして改革を成し遂げたか、が書かれています。
この本で印象的だったのが「松下の社員は経営理念を語りすぎるからマスコミに嫌われる」といったことが書かれていたことである。元々経営理念とは、企業経営の収益を最大化するための手段であるのに、それを語ること自体が目的化していたのでは、と思わせる。
事業部制は大企業経営として一定の成功を収めたが、一方でそれぞれが互いのことを考えなくなったため重複事業が多くなり、ネットワークで各製品が繋がっていくデジタル時代にはそぐわなくなってきている。そのため組織と仕組みを改革した様子が書いてある。
これと同じことを某社の就職活動にも思った。事業部一覧の冊子を渡されても、ある部門と別の部門の業務内容の違いが冊子から読み取れない。学生の身にも、成り立ちや人のしがらみだけで存在しているんじゃないかと予感させた。実際のところはどうかわかりませんが。
「伝統だから天下り的に守らなくてはいけない」じゃないけど、ある制度を守るのにきちんとした理由が説明できなかったら、その制度自体を疑った方がいいんじゃないかなぁ、と思う今日この頃でした。まる。