書評 - 天才論―ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣

天才論―ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣 (朝日選書 818)

文字が詰まっていないし、平易なことばで書かれているので読みやすい、というのが第一印象。天才について詳しく論じるという部分よりも、茂木健一郎氏の考え方みたいなのがわかる所が面白い。
この本で言ってる天才ってのは次の段落に集約されるのではと思った。

現代において、だれもが知におけるイチロー選手になれるかはわかりませんが、平凡な人間にできることといえば、酸いも甘いも噛み分け、人生についてさまざまなことを知ったうえで、そのもてる力を、ある特定の、ほんとうにせまい専門領域のなかに、すべて流し込むことでしょう。そのようなスタイルで仕事をした人だけが、レオナルドやモーツァルトと同じように、とまではいかないものの、歴史に残る業績を遺すことができるのではないかと思います。

専門バカでもいけないし器用貧乏でもいけない。世の中の色々なことを知ったうえで、ある分野に集中することが重要だ、という考え方には共感できるものがあります。