音声認識のKai-Fu LeeをめぐってMSとGoogleが裁判

音声認識技術のエキスパートであるLeeは、Microsoftの中国研究所を1990年代後半に設立した人物で、Microsoft入社前にはSilicon GraphicsやApple Computerに在籍していたこともある。

単なるMSとGoogleの争い、ということ以上に注目すべきニュースかもしれません。
Kai-Fu Leeは1998年にMicrosoftに入社しMicrosoft音声認識技術の研究を行っていたようです。
http://www.speechtechmag.com/submissions/lee.html (英語)
主要な論文も数多く残されています
http://scholar.google.com/scholar?hl=en&lr=&q=Kai-Fu+Lee
実はよく知らなかったのですが、音素環境依存モデル(triphone)もこの人の提案技術なのでしょうか?
ただ、最近は音声認識に限らない仕事をしていたようです。

Leeは最近、Microsoftで新しい検索技術の開発に取り組んでいた。提出された訴状によると、Leeは「しばらくの間、MSNのインターネット検索アプリケーションの開発全体に対する責任者」の立場にあったという。同氏はまた、同社の中国関連戦略に焦点をあてた諮問委員会のメンバーでもあり、この立場からMicrosoftのビジネス戦略や拡大計画のターゲットとなる分野を知ることができたと、訴状のなかに記されている。

自分も裁判の対象になるくらいのでっかい研究者になりたいなぁ。
それはさておき、中国市場限定とはいえGoogleがプレスリリースを出して研究者の雇用を発表するってのは、かなりのことですね。今後とも成り行きが注目されます。
追記:
Internet Watchにも載ったようです。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/20/8472.html
ここには

Microsoftは「上級幹部としてLee氏は検索技術と中国のビジネス戦略に関わるMicrosoftの企業秘密に関する直接的な知識を持っている。彼は同じテクノロジーと戦略をセットにしている直接的な競合他社の地位を受諾したのであり、これは明確な契約上の義務に対する、とてつもない違反である」とコメントしている。

と書いてあり、「検索技術」と「企業秘密に関する直接的な知識」という2点が重要だったようです。つまり、音声認識はあまり関係ないと・・・