Googleを支える技術 - レビュー

既に各所でレビューされているので私めがレビューするのもおこがましいですが。

Googleを支える技術 ?巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

Googleの検索エンジンの背後技術についてわかる本。普段、目には見えない部分のバックエンドについて解説されているのでエンジニアなら是非とも読むべき一冊。
個人的にオススメなのは第５章のGoogleの運用コストについての話が詳しく読めたというのが特に面白かった。マシンの消費電力というのは情報系エンジニアだと見落としがちな視点であり、それについてまとまったことが書いてある。

逆にAdsenseやAdwords系の広告マッチング系の技術の話は、ほとんど書かれていないのも気になった。ソフトウェア特許に触れたりするのかしら？まぁ、検索ランキングアルゴリズム同様、秘密中の秘密の技術だと思いますが。

でもこの本を読んだ後、内情を知ったつもりになると、特に驚くべきアイデアが盛り込まれているか、というとそうでもないわけで。*1

Googleの凄い所はコンピュータサイエンス的に当たり前の技術を適材適所で大規模に運営し、営利企業として利益を生み出している所にあるのだろうと思う。この業界、あまりにもコンピュータ技術の表面的な所しか知らない人が多すぎるので。

MapReduceにせよGFSにせよ、ある処理がインターネットという不安定なネットワークを介して行われることを前提として設計され、コーダーがそれを意識しなくて済む仕組みがそこかしこに散りばめられている、というのが大きいのではないのだろうかと思う。やはりこれからの時代、（どのレベルで吸収するかは知らないが）ネットワークでバグの少ないプログラムの書ける人材というのがどんどん必要になっていくんだなぁ、ということを痛感した次第です。

*1:コンピューターの消費電力について詳細に調査していたってのは驚いたけど