ゲームの「対価」とは

で、今回はゲームの対価について考えてみたいと思います。つまりは、ゲームをお金を出して買った結果、我々ユーザーが得られるものとは何か?ということです。
この前の議論では未だに一番売れるのは「かったるい」ゲームであるとしましたが、近年のヒット作とかを見ても小粒で面白いヒット作のゲームはたくさんあります(すみません「塊魂」はまだやってません)。それらのゲームに共通するのはなんだろうか?というと、早い段階でそのゲームの「面白さ」や「報酬」を見せているものではないかと思います。
順に例を挙げます。(選ぶゲームは恣意的ですが・・・)

このゲームの秀逸な所は1作目の一番最初の裁判。その後のストーリーには全く影響を与えないが、1作目の最初の裁判は30分程度で終わり、逆転裁判の基本的な面白さというのが全て凝縮されていた。もちろん、全体を通じて得られる面白さというのもあるが、こういう導入をすることが重要だろう。

面生成がランダムで製作者によって作りこまれているわけではないのに面白い。なぜかというと、まったくの初心者でもブロックをうまく消してエアーを取る面白さがわかるからではないかと思う。もちろん、やりこむとスピードに物を言わせて強引にエアーをとるという、戦略に幅が出来る。

最近は高難易度化が著しく一般の人からはそっぽを向かれた感がありますが、beatmania 2nd mixの時代は一般人もやってました。それは、一番簡単な曲でも演奏する楽しさ、リズムを刻む楽しさというものを抑えた譜面作りになっていたからだと思います。beatmania 2nd mixのお気に入りはe-motion(2nd mix)ですね。

  • GTA3

残虐性が問題で神奈川県に有害図書の指定をくらいましたが、単純に残虐性ということ以外に、何をやってもよいという自由度と、何かをやったら必ずレスポンスが帰ってくるという全体世界の作りこみが良いのだと思います。別にミッションをやらなくても、面白い遊びがたくさん出来るところもいいです。ミッションそのものも面白いですが。

「痕」「To Heart」「月姫」とか、異論はあると思いますがなぜあそこまでヒットしたかっていうと、やはり「18禁」であるというのは重要なファクターだと思います。つまり、ユーザーはゲームをやる前からこのゲームをクリアする過程で必ずエロい絵が見られるという「報酬」が約束されているわけです。
全部のストーリーを読み終えたら、シナリオの秀逸さなどがありますが、最後までやるモチベーションとしては、下世話な話ですがエロ絵が見られるってのは大きな要因でしょう(それ以外にも、口コミで面白いと聞いたから、とかネットの評判がよかったとかはあると思いますが)
よく、「エロなしでもこのゲームは泣ける」という人がいますが、それはゲームを終えた人から見た話。ゲームをこれから始めようって人がやる気になるためには、「エロ」ってのは欠かせない要因なのかもしれません。メーカー側(特に無名ブランド)はそれがわかっているから、秀逸なシナリオであっても18禁ゲームとしてリリースするのでは?と思います。
追記:
参考になるかな?月姫がもたらしたモノ

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ここまで書いて気づきましたが、ゲームの面白さには2種類あって「ゲームの導入部分で見せる面白さ」と「ゲームを終えた時に感じさせる面白さ」(または「ゲームが上達してくるとわかる面白さ」)ってのがあるんじゃないかと思います。PS2版のロマサガを耐えながらやっていた、という意見の方がいらっしゃいましたがそれは、「ゲーム導入部分の面白さ」ってのが欠けているからでしょう。「ゲーム導入部分の面白さ」が欠けていて「ゲームが上達してくるとわかる面白さ」があるゲームとしては、近年の弾幕シューティング、TGMなどが挙げられると思います。これらは噛めば噛むほど味が出てくるスルメのようなものですが、最初はあまり味はありません。ここら辺がマニア受けしかしないゲームと、一般受けするゲームの差なのかなぁと思います。別にマニア受けしかしないゲームが一概に悪いわけではないですが。
「導入部分の面白さ」と「終わったあとに感じる面白さ」という軸でゲームの面白さを分析してみてはいかがでしょうか?